サラリーマン太郎の勇者日記
 上司の命令は、絶対だからなあ。
 私は羊皮紙に着慣れない鎧を身に着け、長い道のりを歩いた。
「上司に逆らえないなんて、情けないなあ。しかもあんなコスプレ・ヤロウに・・・・・・はあ」
 ここはいったいどこなんだろう。なぜ戦争だろう。
 今になって疑問がわいてきた。
 日本じゃないし、外国か? 電気もないなんて。
 ためしにラリ子にメールを送ってみた。
 ・・・・・・圏外――。
「ああ、やっぱりだめか」
 そこでひとつの回答が浮かんだ。
 電気もなければコピーもない。ここは現代じゃなさそうだ。
 羊皮紙を見つめて考える。
 古代か・・・・・・中世あたりか・・・・・・。
 いやな予感がしてきた。
 私はしがないサラリーマンなのに。戦争で死ぬなんて、いやすぎるからっ!
 山田太郎、三十五歳。
 家のローンはあと、○十年残っていた・・・・・・。
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