ワンだふる·ワールド 3 ~ワンコの調教~ 《TABOO》
調理も終盤に差しかかる頃には、余裕が出て味見に回りだした3匹。
やっとゴールデンも私の所に来てくれた。
思いの外、真剣に取り組んでいるハチ。
手際もよく、器用に調理器具を使いこなしている。
性格的に向いているのだろう。
出来栄えもなかなかのものだ。
――さすが、私のハチ…いい子だわ
が、撫で撫でしつつも、周りの目も気になりだした。
――私も何かしていないと、ちとヤバいかも…
体裁を気にして、キャベツの千切りを始めたところで悲劇が起こった。
「痛っ…」
慌てて刃物を扱ったからか、指切りの失態を犯した私。
気づいたゴールデンが即座に私の手を取った。
パッと咥えて強く吸う彼に、指先から全身まで一気に電気が走り抜けた。
「深いな」と言いながら、見事な早業で医務室へと私を連れ去るゴールデン。
振り返ると、ハチは鍋のアク取りに夢中…
――ごめん、ハチ
――別室でフルコースのレッスンがあるらしいの
END