愛マイうさぎ!~キケンな王子様にご用心~

「ああー、漫画の中の王子様みたいた人がいると思ってたのになあ……」

「渚もいい加減現実見なよ。そんな都合のいいやつこの世の中に居ないって」

「もー!爽ちゃんまでそんなこと言うの?!だって……だって本当にあの時は王子様が居たんだもん……」



私が幼稚園の年長だった頃。
優しくてかっこいい小学生の男の子が近所に住んでいた。

それが、私の初恋だった。

お母さんが読み聞かせてくれた、あの童話の中に出てくる王子様だって、ずっと思ってた。


ほとんど毎日一緒に遊んでくれて、当時習っていたピアノも教えてくれた。

小学生なのに、凄く上手で、私はそれを見てずっと憧れも抱いていた。


完璧な、王子様。


そう思っていたのに、その王子様は突然引っ越してしまった。
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