愛マイうさぎ!~キケンな王子様にご用心~
一斉に私の方に視線が集まる。
いやいや、お願いだからもうやめて!私を注目させないで!
「ごめんね、先約があるからまた今度ね」
と、ウサギ王子はお金を受け取らず、女の子に手をひらひらと振ってこっちに向かって走ってきた。
取り残された女の子は、私をキッと睨み、口を膨らませながら去って行った。
何が何だかわからなくて頭が追いつかない。
「うーさちゃん!俺に会いに来てくれたの?」
「いや、あのこれを返しに来ただけです!っていうか、うさちゃんて呼ぶのやめてもらえませんか?!」
「いやだって、あの時うさぎのパ……」
「コラァァァァァー!!」
パンツ、と言い掛けたウサギ王子に焦り、勢いよく手を引っ張ってできるだけ遠い場所へと無我夢中で走った。