愛マイうさぎ!~キケンな王子様にご用心~

ボーッとしていたため、気付くのが遅れ避けることが出来なくて、顔面にボールが直撃した。

衝撃で後ろに倒れ、頭を思いっきり打ってしまった。


「いてて……」

「ちょっと!渚!大丈夫?!」

「加菜、ありがとう。うん、だいじょう……」

「ごめんっ!!大丈夫?!」


私の所に宇佐美先輩が走って来てくれた。

まさか来るとは思ってなかったし、こんな間抜けな自分を見られて恥ずかしいと思った。


「平気です!私がよそ見してて……」

「ほんっとごめん、俺がコントロールミスったせいで……保健室行こう」

「え?!これくらい大丈夫ですよ!私結構体丈夫なんで!」


そう言いながらガッツポーズしたけれど、


「きゃっ」


宇佐美先輩が、そんな私を無視し、お姫様抱っこして持ち上げた。


キャーッという女子の黄色い声。


私は状況がイマイチ掴めず、ただ宇佐美先輩の顔を見ることしかできなかった。


< 49 / 88 >

この作品をシェア

pagetop