愛マイうさぎ!~キケンな王子様にご用心~
ボーッとしていたため、気付くのが遅れ避けることが出来なくて、顔面にボールが直撃した。
衝撃で後ろに倒れ、頭を思いっきり打ってしまった。
「いてて……」
「ちょっと!渚!大丈夫?!」
「加菜、ありがとう。うん、だいじょう……」
「ごめんっ!!大丈夫?!」
私の所に宇佐美先輩が走って来てくれた。
まさか来るとは思ってなかったし、こんな間抜けな自分を見られて恥ずかしいと思った。
「平気です!私がよそ見してて……」
「ほんっとごめん、俺がコントロールミスったせいで……保健室行こう」
「え?!これくらい大丈夫ですよ!私結構体丈夫なんで!」
そう言いながらガッツポーズしたけれど、
「きゃっ」
宇佐美先輩が、そんな私を無視し、お姫様抱っこして持ち上げた。
キャーッという女子の黄色い声。
私は状況がイマイチ掴めず、ただ宇佐美先輩の顔を見ることしかできなかった。