愛マイうさぎ!~キケンな王子様にご用心~
近くにコンビニを見つけて、急いでトイレに駆け込む私。
借りた体操服を着てみると、やっぱり男の人のだ。かなり大きい。
あ、ちゃんと名前を書いてある。
あの人〝宇佐美〟さんって言うのかあ。
ていうか、
「いい匂い……」
ハッ
だめだめ!
人に服借りてその匂いに浸るなんて、なに私こそ変態チックなことしてんの私!
ブルブルと顔を横に振って、コンビニを出た。
「あれ?」
外に出てみると、あの人の姿は無かった。
当たり前か。
そんな待ってるわけなんかないよね。
けど、ちゃんとお礼言えなかったから言いたかったなあ。
「まあ同じ高校だし、いつか会えるだろうしいっか!」
よし、と頬っぺたをパンパンと叩いて、ふと腕時計を見ると、
「やばい本当に終わりだ遅刻する!」
また全速力で走り出した。