愛マイうさぎ!~キケンな王子様にご用心~
「ここ、擦り剥けてる」
「へ……?」
私の腕を持ちながら、申し訳なさそうにする宇佐美先輩。
多分、衝撃で後ろに倒れた時に擦ったんだろう。
「腕、貸して」
そう言いながら、宇佐美先輩は傷に消毒をし、私に優しく絆創膏を貼ってくれた。
宇佐美先輩に触れられた部分だけがどんどん熱くなっていく。
宇佐美先輩の優しい手の感触がまだ残っている。
ドキドキと動悸が激しくなった。
「ほら、できたよ。頭を打っただろうし、あそこのベッドで横になりな。先生探して来るから」
そう言いながら、またヒョイと私を持ち上げてベッドに運んでくれた。
「ありがとうございます……」
どうして、ここまで私に優しくしてくれるんだろう。
どうしてこんなに簡単に何でもこなしちゃうんだろう。
宇佐美先輩は特別な意識は何も無いのだろうけれど。
経験の浅い私はいちいち全ての行動に意識して、ドキドキしてしまう。
折角、関わらないようにしてたのに、これじゃもう……