愛マイうさぎ!~キケンな王子様にご用心~
「ごめんね」
またそうやって申し訳なさそうにする宇佐美先輩。
ちょっと怪我しただけなのに、そこまで謝らなくても。
本当に、宇佐美先輩は優しい人なんだなって、そう思った。
「もう良いですよ!私がちゃんと見てなかったのが悪いんです」
「そうじゃなくって」
「え……?」
「それも本当に申し訳ないと思ってる。けど、俺が言ってるのはそれじゃ無くて……こないだのこと」
「……」
こないだのこと。
それは私にとってはもうあんまり思い出したくないことなんだけどな。
どうして、今更その話を私にして来るのだろう。
私は俯き、黙ったままで居た。