愛マイうさぎ!~キケンな王子様にご用心~
「私なんかが、宇佐美先輩と喋っちゃ駄目なんだって。私なんかが……」
「私なんか、とか言うなよ」
そう言っていきなり怒る宇佐美先輩に、私はビクッとした。
「渚は本当にいい子で優しくて、可愛くて素直な女の子だよ」
と言いながら優しく私の頭を撫でた。
そんなことされたら、もう……
抑えてたものが全部爆発しそうになってしまう。
ドキドキと大きい音を立てた心臓が、宇佐美先輩に聞こえてしまうんじゃないかと不安になる。
「あのさ、こないだのお詫びと、今日怪我させちゃったお詫び、させてよ」
「へ……?」
「何か、して欲しいことないの?」
お礼とか、お詫びとか。
そんな口実で繋がる私たち。
ただ、それだけのことなんだけど、私はそれがとても嬉しかった。
一緒にいる理由が出来る。
それだけで良かった。