愛マイうさぎ!~キケンな王子様にご用心~

「私なんかが、宇佐美先輩と喋っちゃ駄目なんだって。私なんかが……」

「私なんか、とか言うなよ」


そう言っていきなり怒る宇佐美先輩に、私はビクッとした。


「渚は本当にいい子で優しくて、可愛くて素直な女の子だよ」


と言いながら優しく私の頭を撫でた。



そんなことされたら、もう……

抑えてたものが全部爆発しそうになってしまう。

ドキドキと大きい音を立てた心臓が、宇佐美先輩に聞こえてしまうんじゃないかと不安になる。


「あのさ、こないだのお詫びと、今日怪我させちゃったお詫び、させてよ」

「へ……?」

「何か、して欲しいことないの?」


お礼とか、お詫びとか。

そんな口実で繋がる私たち。


ただ、それだけのことなんだけど、私はそれがとても嬉しかった。


一緒にいる理由が出来る。


それだけで良かった。

< 54 / 88 >

この作品をシェア

pagetop