愛マイうさぎ!~キケンな王子様にご用心~

「ウソでしょ……渚、本当に知らないの?」

「うん、知らな……」


『キャアアアアッ!』


いきなり廊下から、女子たちの叫び声が聞こえた。

「なに?!」

「来たっ!」

さっきまで私を囲んでいた女子たちが一斉に廊下に飛び出していった。


「ほら、来て!」

加菜が私の腕を引っ張って、一緒に廊下に出た。



「あれが、ウサギ王子こと、2年の宇佐美亮介先輩だよ」

「……!」


校庭を歩く、三人組の男の人たち。
その真ん中に居る、ひと際目立つ背の高い俗に言うイケメン。

ま、まさか……

「あの変態野郎が?!」


咄嗟に大きな声を出してしまった私に周りの女子たちが一斉に私の方を見た。

でもそれは一瞬で、すぐにまた“ウサギ王子”に釘づけになっていた。


「渚?あんた何言ってんの……?」


ていうか、先輩だったの?あの人。
私、タメ口挟むし態度もでかかったし、かなり失礼な態度取ってたよね?


あれ、私やばいことした?


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