好きって言うまで離さねぇ。
テーブルにはお母さんとお父さんが隣合って座っていた。
囲みに、お母さんはパンを片手にケータイを使っていて、お父さんは新聞を読んでいる。
「おはよう。ね、お母さん。大事な話ってなに?」
私はイスに腰掛けると、すぐさまお母さんに聞いた。
聞きたくない、とか言いつつ大事な話ってのは気になるものよね。
「んー……侑梨、怒らないかしら?」
ねぇお父さん、とお母さんは隣に顔を向ける。
「大丈夫だろう。彼がいれば安心だろうし」
お父さんは新聞から目を離すことなく、そう答えた。
あんまり大事な話って感じがしないけど……?