好きって言うまで離さねぇ。



「ん…?顔赤いけど、熱でもある?」


そんな心配そうな口振りのくせに口角は弧を描いていて、どこか楽しげだ。


冬哉のこんな顔、ろくなことがない気がする……!



「熱なんかないから!」


私は至って元気ですよ!


………いつもよりおかしな目覚め方だったけどね!



朝からなんなのよ、もお!


私は不機嫌な態度を示すために、ふんっとそっぽを向いて言った。



「……悪かったって」


想像よりはるかに近くで聞こえた冬哉の声。



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