好きって言うまで離さねぇ。



「し、しないから!」


冬哉を喜ばせる術なんて、持ってないから!


照れも加わって、冬哉の胸を押し返して距離をとった。



それから私は俯いて下ばかり見ていた。


───だから、冬哉がとろけるように甘くて優しい表情をしていたなんて……

知るはずがなかった。











「───よし、行くぞ」


目的の駅に到着して、冬哉はそう言うと私の手を握った。



「手っ…!///」


さっきのことで私が拗ねていることを知ってか知らずか…

特に気にしてない冬哉が少し大人に見えてしまう。


実際、年上なんだけど……さらっと手を繋げるところとか慣れてるなぁ……



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