好きって言うまで離さねぇ。
「手、繋ぎたくない?」
心なしか拗ねたような冬哉の声。
そんな声にも色気が含まれていてドキドキと心臓がうるさく鳴る。
繋ぎたくないわけ……ない。
こんなにもドキドキしてて、それさえも心地いいのに……
思わずホームに立ち止まる。
私は、自分にウソをつきたくないから……
「っ…侑梨…!?」
冬哉の手をギュッと握り返した。
冬哉の声がびっくりしたように、上擦った。
それに知らないフリをして、歩きだす。
すると、後ろを歩く冬哉からふっと笑い声が聞こえてきた。