好きって言うまで離さねぇ。
「……か、帰ろ!」
俺から距離を取ったまま、半ばやけくそのように言い放った侑梨。
その侑梨の顔は真っ赤に染まっていて、思わず心配してしまうほどだ。
「……は?」
侑梨の心配の前に『帰ろ!』という意味を考えたら、間抜けな声が出た。
ついさっき昼飯を食べ終えたから帰るにはまだまだ早い時間だ。
侑梨とのデート。
……早く終わらせたくねぇよ。
「……いいから!」
何がいいのか知らねぇけど、侑梨は俺の腕を引いて歩きだした。
………よくねぇよ!
そう思いながらも、侑梨にズルズルと引きずられる。
結局、俺って侑梨に甘いよな……