好きって言うまで離さねぇ。
「……っ!?」
なにこのクラッカー音!?
音にびっくりして、とっさに目をつむる。
こ、こんなの心臓に悪い!
しばらくして、かたく閉じてしまった目をゆっくりと開けてみると……。
「侑梨、ハッピーバースデー!」
クラッカーを持ってそう言った女の人は、わたしのお母さんの豊橋 愛梨(とよはし あいり)。
まだ30代で、見た目も若々しい。
サプライズ好きな、お茶目な性格はわたしよりはるかにかわいいと思う。