好きって言うまで離さねぇ。
周りが騒がしいにも関わらず果世にお礼を言う冬哉。
そんな冬哉の腕はしっかりと私の背中に回っていて。
なんだか嫌な予感。
「きゃっ……!?」
私が言葉を発する前に、ふわりと浮いた身体。
……こ、これって……っ!?
「侑梨はお姫様抱っこ嫌い?」
私を見下ろす冬哉の笑顔。
対して私は口元を引きつらせる。
『嫌い?』って聞かれても……!
私は驚き過ぎて金魚のように口をパクパクするだけ。
「……じゃ、行くよ」
私が黙ったままだったからか歩きだす冬哉。
………このまま、屋上まで行く気!?
それに、周りからの視線が痛い。