好きって言うまで離さねぇ。
───え……?
冬哉ってあの、冬哉?
昨日にやっと、付き合えることになって。
私が大好きで堪らない人。
橘くんのカミングアウトは、これからの私達を揺るがすような言葉に聞こえた。
……嫌だ。
冬哉の好きだった人なんて知りたくないよ。
でも、何でもないように振る舞えば大丈夫だから……
「そ、それが?どうしたの?」
冷静を装って言ったつもりだけどバレバレだろうな。
「……あ、委員会始まるみたい。だから、また今度」
橘くんは私からふい、と目線を逸らして教室に入って行った。