好きって言うまで離さねぇ。



───え……?


冬哉ってあの、冬哉?



昨日にやっと、付き合えることになって。


私が大好きで堪らない人。



橘くんのカミングアウトは、これからの私達を揺るがすような言葉に聞こえた。



……嫌だ。


冬哉の好きだった人なんて知りたくないよ。


でも、何でもないように振る舞えば大丈夫だから……



「そ、それが?どうしたの?」


冷静を装って言ったつもりだけどバレバレだろうな。



「……あ、委員会始まるみたい。だから、また今度」


橘くんは私からふい、と目線を逸らして教室に入って行った。



< 225 / 359 >

この作品をシェア

pagetop