好きって言うまで離さねぇ。
───京香さん。
一体、どんな気持ちで……ウチの家で働いてるの?
冬哉と会うことはなかったの?
……私の知らないところで2人は会ったり───。
そこまで考えて、私はブンブンと強く頭を振った。
余計なことは考えるな!
走りながら頭を振る姿は、まさに変人だろう。
「歩いて帰ろっかな……」
下足場に着いてから1人、ポツリとつぶやいた。
家は実際のところ、そんなに遠くないし……
「……そんなのダメに決まってんだろ」