好きって言うまで離さねぇ。
……え?
こ、この声……!
見なくても分かるけど……分かるからこそ。
声の主の方へゆっくりと……身体を向けた。
「と…冬哉……」
───何でいるの……?
こんな嫉妬で醜い姿、見られたくないよ……
「1人で帰るなんて絶対ダメ」
冬哉の瞳をまっすぐ見れない。
ずっと……俯いたまま。
「大丈夫だから……今日は1人で帰る」
そう言ってから身体の向きを変え冬哉に背中を向ける。
すると、鞄を持っていない方の手を掴まれた。