好きって言うまで離さねぇ。
───バキッ
その状況を理解した瞬間、俺は橘を殴り飛ばしていた。
もう、ほんとに無意識だった。
「……勘違いしてませんか?」
吹っ飛ばされた橘が、頬を押さえながらそう言った。
「……なに言ってんの、お前」
勘違いなんて、あるわけねぇ。
この状況を見るだけで嫌なくらい分かるだろ。
……だって、現に。
「……最っ低…」
そうつぶやいた侑梨の、ブラウスのボタンが数個はだけている。
「侑梨、大丈」
「触らないで!」