好きって言うまで離さねぇ。
橘くんとの間に、特に目立ったトラブルは起こらなかった。
───いや、むしろ…
「侑梨ちゃん、冬哉さん!おはようございます」
私達2人にこう話し掛けてくるのは紛れもなくあの人しかいない。
「橘くん…おはよ」
私は挨拶を返したけど、冬哉は警戒するように睨んでいる。
最近──…ってより、私達が仲直りした日以来ものすごく感じのいい人になりつつある橘くん。
「何で睨むんですか、冬哉さん!」
何て言いながらケラケラ笑ってますけど……
それを見て冬哉の眉間にますます皴が寄る。