好きって言うまで離さねぇ。



───それでも



手を振ってくれてるのに無視するのも悪いかと思って、掴まれていない方の手を持ち上げた。



それを見た橘くんが目を丸くした後、またニコッと笑った──…その時。



「侑梨?」



「ひゃあ!」



腕をさっきより強い力で引かれ、冬哉の胸にぽすっと顔が埋まってしまった。



そのまま、後頭部をガシッと押さえられる。



「誰を見てんのかな?」



………ふ、不機嫌な声だ…!



< 287 / 359 >

この作品をシェア

pagetop