好きって言うまで離さねぇ。
橘くんは自分のおでこにも手を当て、うーんと唸る。
「い、いやっ、大丈夫だから!」
なんかものすごく心配されてるような!?
「本当?無理だけはしないでね」
しかも、やけに優しい…?
………って、ばか!
私には冬哉がいるのに、何ぽーっとしてんの!
いきなりペシッと頬を叩いた私を見て、橘くんはやっぱり心配そうな顔をした。
『続きまして、障害物競走です。選手は入場して下さい』
アナウンスを聞いて、私は気合いを入れるようにもう一度頬を叩いた。