好きって言うまで離さねぇ。
うわぁ……抱き締められてる!?
「ったく、反則だろ……」
頭上から聞こえてくる冬哉の照れたような声。
「俺も、愛してる」
───ギュッ
強く抱き締められると同時に、私の心臓も暴れだす。
「つーか、俺の方が愛してる」
………絶対に冬哉の方が反則。
それから、磁石と磁石が引き合うように唇が重なった。
『今日から俺の嫁な?』
そんな強引な婚約だった。
でも、いずれ──…本当の奥さんにしてね?
その瞬間、大きくて鮮やかな花火が打ち上がった。
【完】