好きって言うまで離さねぇ。
「私、橘京香(たちばなきょうか)と言います。ふふ、侑梨様に名前を覚えてもらえるなんて思ってもみませんでしたよ」
京香さんはにこっと人当たりのよさそうな微笑みを浮かべた。
そのとき綺麗な黒髪が揺れる。
「また、話そうね!」
私は京香さんから離れて言った。
「はい、もちろん。ではお着替えいたしますよね。失礼しました」
京香さんが部屋から出ていったので、私は着替えようとベットから降りた。
「侑梨、入るぞー?」
私がパジャマのボタンに手をかけた時、また誰かが入ってきた。