好きって言うまで離さねぇ。



───ギュッ



「……え…?」


ふわっと優しく抱き締められた。


私がさっき投げた、クッションといっしょに。



「……なにもしねぇから…俺から逃げるな……」


冬哉は切なげな声でそう言うと、いっそう抱き締める力を強めた。



な、なに……?


そんな声で言われたら、ムリヤリ振り払えない。


ズルいんだよ、冬哉のバカ……



< 45 / 359 >

この作品をシェア

pagetop