好きって言うまで離さねぇ。



───え、私のこと忘れられてる?


冬哉が車に乗り込んでからドアを閉めると車が発進した。



「っ……!」


私は冬哉をキッとにらむ。


結局いっしょに帰ってるし!


これからどこか行くみたいだし!



全くどういうことよ!?



「ん?どうした?」


私のにらみは冬哉に通じなくて、実にあっけなく返された。


……えっ!



「どうした?じゃなくて!何で駅なんかに行くの!?」


駅にはうちの学校の生徒もたくさんいるのに……


変な誤解をされるかもしれない。



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