好きって言うまで離さねぇ。
そんな冬哉の言動に思わず心臓がドキッと高鳴った。
───え、待って。
“ドキッ”?
な、何これ!
何で冬哉に“ドキッ”ってしてるの!?
暴れだした心臓を落ち着かせる。
私、おかしいよ……
「侑梨様、冬哉様。到着いたしました」
いつのまにか駅に着いていた。
不思議とさっきほどイヤじゃなくて、車からすぐに降りた。
「お気をつけていってらっしゃいませ」
そんな坂井の声を聞きながら私と冬哉は駅に向かって歩きだした。