ちょびっと遠距離恋愛。
第1章☆遠恋の始まり。

高校生。

『みなさん、入学おめでとうございます──』
そんな、子守歌みたいな声が響いてる。

あたしは、今日から女子高生の
谷口愛夢美(たにぐちあゆみ)。
通称、あゆ。

やっと高校生になれた。
女子高生とゆうのに
ずっと憧れていた。
今日からは、その憧れていたものに
あたし自身がなれるんだ。

それよりも、早く入学式が
おわってほしかった。

入学式が終われば
龍輝に会いに行ける!

あっ、龍輝とゆうのは
あたしの彼氏。

中学3年のとき同じクラスで
あたしが片想いをしていた。

中学の卒業式の一週間前に
告白したら、両想いだったみたいで
つきあうことになった。

そのときには、もう進路が
決まっていた。

頭のレベルが違うあたしたちは
別々の高校に通うことになった。

2人とも市内の高校じゃなくて
となりの市とそのとなりの市の
高校に通う。

けど市がちがくても
あたしの高校は、その市の中でも
端のほうにあるから
龍輝の通う高校と近いと思う。

それでも高校生にとっては
ちょっとした遠距離恋愛に
なると思う。

龍輝は、あまり告られたことは
ないけど、人気はある。

きっとこれからは
もっとモテると思う。

だから、すごく心配で不安なんだ。

龍輝は、あたしの方が心配だ
ってゆってくれた。

たしかにあたしの中学時代は
チャラかったと思う。

小学校の頃は、片想いばっかりで
告ったことも告られたことも
一回もなかった。

けど、中学入ってから
急に告られるようになり
告られてOKして、自分と合わないと
すぐフって、また告られてOKして
またすぐフって...の繰り返しで
あまりいいとは、いえない恋愛をしてた。中学3年間では、30回ほど
告られたと思う。
でも、龍輝に恋して変われた。
中学入ってから初めて本気で恋した。
龍輝にOKされたときは、
すごいうれしかった。
龍輝だけは、ずっと一緒にいたい
って思えた。

だから、龍輝はすごく心配してくれてるけど、あたしはもう中学の頃の
あたしじゃない。
龍輝だけしか見えないから。

誰かをこんなに好きになれるって
楽しいことなんだね。

あたしは、決めたの。
たまに龍輝の高校まで行って
龍輝のこと狙ってる女子たちに
彼女アピールをいっぱいしよう!って。

なんか、楽しくなってきちゃった♪



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