月宮天子―がっくうてんし―
しかし、そこを白露が鉤爪を振り翳し、海に襲い掛かったのだ。右、左、交互に迫り来る鉤爪攻撃を巧みにかわす。
隙を突いて、今度は海が蹴りを入れた。
膝を曲げて溜めを作り、海は白露の胸辺りに横蹴りを放つ。
白露は廊下の端まで転がりつつ、胸を押さえ呻いている。かなり効いたみたいだ。
だが、起き上がると、不意に飛ぶように階段を駆け上がった。
「カイ! あの化け物……白露を捕まえなきゃ! 市村先生を元に戻せない」
「わかった!」
愛子のひと言に、海は白露のあとを追う。愛子も追いかけて階段を駆け上がった。
校舎は四階建てだ。愛子が二階辺りに来たとき、上からもの凄い衝撃音が轟いた。何かが破壊された音だ。
最上階まで辿り着いたとき、音の正体がわかった。
屋上へのドアが、なんと外に向かって拉(ひしゃ)げていた。もちろん、内開きのドアである。
愛子が屋上についたとき、緑のヒーローカイと白露はすでに戦闘中だった。
白露は天空から、時速一二〇キロを超える速さで、獲物目がけて急降下する。
「愛ちゃん来るなっ!」
海は愛子に叫びながら白露の攻撃を避けている。愛子も校舎の中に慌てて戻った。
白露は多分あれが本来の姿なのだろう。
巨大鷲となり、自在に校舎の上空を滑空している。
「キェーッ! 死ねぇーー」
隙を突いて、今度は海が蹴りを入れた。
膝を曲げて溜めを作り、海は白露の胸辺りに横蹴りを放つ。
白露は廊下の端まで転がりつつ、胸を押さえ呻いている。かなり効いたみたいだ。
だが、起き上がると、不意に飛ぶように階段を駆け上がった。
「カイ! あの化け物……白露を捕まえなきゃ! 市村先生を元に戻せない」
「わかった!」
愛子のひと言に、海は白露のあとを追う。愛子も追いかけて階段を駆け上がった。
校舎は四階建てだ。愛子が二階辺りに来たとき、上からもの凄い衝撃音が轟いた。何かが破壊された音だ。
最上階まで辿り着いたとき、音の正体がわかった。
屋上へのドアが、なんと外に向かって拉(ひしゃ)げていた。もちろん、内開きのドアである。
愛子が屋上についたとき、緑のヒーローカイと白露はすでに戦闘中だった。
白露は天空から、時速一二〇キロを超える速さで、獲物目がけて急降下する。
「愛ちゃん来るなっ!」
海は愛子に叫びながら白露の攻撃を避けている。愛子も校舎の中に慌てて戻った。
白露は多分あれが本来の姿なのだろう。
巨大鷲となり、自在に校舎の上空を滑空している。
「キェーッ! 死ねぇーー」