部長とあたしの10日間
部長に信じてもらえなくても当然だ。
だって、あたしはつい最近まで和田さんに執着してた上に、彼を手に入れるため部長を利用しようとさえしていた。


だけど、あのシチュエーションでそんな冗談を言う余裕なんてあるわけない。


「和田さんのことは、正直、なかなか落とせないから意地になってただけでした。
だけど部長は違う。
悔しいけど、本気で好きみたいなんです」


部長はなおもじっとりとした疑いの眼差しを向ける。


「どうして俺なんか…」


そんなの分からないし、こっちが聞きたい。
あたしだって、こんなに面倒くさい男を好きになるなんて思ってもみなかったんだから。
< 103 / 146 >

この作品をシェア

pagetop