部長とあたしの10日間
「てっきり、櫻井さんは企画部の和田を狙ってるんだとばかり思って、油断してた」
うわ。
しっかりバレている。
「あいつは葛城とデキてるし、そのうち諦めるだろうと思って放っておいたけど、叔父貴が相手なら話は別だ。
───そもそも、櫻井さんは叔父貴のどこがいいの?」
後藤さんが不満そうな顔でこっちを見る。
「40絡みのオヤジだし、見ての通り社畜だし。
櫻井さんが付き合うには退屈だと思うけど」
甥っ子とは言え、好きな相手をそんな風に言われて、本当なら部長の良さを羅列して否定すべきなんだろうけど、あいにくあたしにはフォローすべき点がちっとも浮かんでこない。
部長はいつも偉そうだし、口悪いし。
甘い言葉を囁いてくれるわけでもないし、女性の喜びそうなデートスポットを知ってるとも思えない。
「正直、あたしもよく分かりません。
何なんでしょう、あの人」
あたしがそう言うと、後藤さんは目を丸くして吹き出した。
うわ。
しっかりバレている。
「あいつは葛城とデキてるし、そのうち諦めるだろうと思って放っておいたけど、叔父貴が相手なら話は別だ。
───そもそも、櫻井さんは叔父貴のどこがいいの?」
後藤さんが不満そうな顔でこっちを見る。
「40絡みのオヤジだし、見ての通り社畜だし。
櫻井さんが付き合うには退屈だと思うけど」
甥っ子とは言え、好きな相手をそんな風に言われて、本当なら部長の良さを羅列して否定すべきなんだろうけど、あいにくあたしにはフォローすべき点がちっとも浮かんでこない。
部長はいつも偉そうだし、口悪いし。
甘い言葉を囁いてくれるわけでもないし、女性の喜びそうなデートスポットを知ってるとも思えない。
「正直、あたしもよく分かりません。
何なんでしょう、あの人」
あたしがそう言うと、後藤さんは目を丸くして吹き出した。