部長とあたしの10日間
火曜 09:00
朝、自分のデスクに向かう前に、化粧室の鏡の前で身だしなみを確認する。
髪型もメイクもOK。
鏡の中の自分を入念に確認しながら口紅を塗り直していたとき、ふと脳裏に昨日の忌ま忌ましい小泉部長の顔が浮かんできた。
『外見だけ』
あんなことを言われたのは初めてだった。
外見を取り上げて持て囃されこそすれ、けなされたことなんてなかった。
和田さんといい小泉部長といい、最近のあたしの男運は絶不調だ。
もしかして女子力下がってる?
これが非モテ期?
なんて自身喪失しながら歩いていたとき、
「おはよう」
声を掛けられて振り返ると、立っていたのは営業部の後藤さんだった。
髪型もメイクもOK。
鏡の中の自分を入念に確認しながら口紅を塗り直していたとき、ふと脳裏に昨日の忌ま忌ましい小泉部長の顔が浮かんできた。
『外見だけ』
あんなことを言われたのは初めてだった。
外見を取り上げて持て囃されこそすれ、けなされたことなんてなかった。
和田さんといい小泉部長といい、最近のあたしの男運は絶不調だ。
もしかして女子力下がってる?
これが非モテ期?
なんて自身喪失しながら歩いていたとき、
「おはよう」
声を掛けられて振り返ると、立っていたのは営業部の後藤さんだった。