部長とあたしの10日間
当初は、女子社員の比率が多い経理部に配属されたことを不満に思っていたけれど。
購入した物品や、立て替えた交通費、出張費からその人の社内での立場や仕事内容が分かるのは経理部の特権。
社内の男性陣を比較するにはうってつけだし。
こう見えて単調で地味な作業も嫌いではないあたしには向いているのかもしれない。
うーん、これはどうすべきか…。
後藤さんの悩ましげな領収書を前に会計ソフトとにらめっこしていると、後ろから声をかけられた。
「ユミちゃん」
この声はもしかして。
期待しながら振り返ると、やっぱり和田さんが立っていた。
顔を合わせるのは、例のデートをすっぽかされたあの夜以来。
お詫びの一言があってもいいはずなんだけど…、なんて期待はすぐに崩れる。
「忙しいところごめん。
これからミーティングルームにお茶出してもらえないかな。
派遣の子が今日はお休みで…」
マイペースな和田さんは一昨日のことなんて全く触れもせず、あたしに向かって手を合わせた。
うーん。
自覚がないのか、はたまた確信犯なのか。
この小悪魔的なとこが和田さんなのだ。
購入した物品や、立て替えた交通費、出張費からその人の社内での立場や仕事内容が分かるのは経理部の特権。
社内の男性陣を比較するにはうってつけだし。
こう見えて単調で地味な作業も嫌いではないあたしには向いているのかもしれない。
うーん、これはどうすべきか…。
後藤さんの悩ましげな領収書を前に会計ソフトとにらめっこしていると、後ろから声をかけられた。
「ユミちゃん」
この声はもしかして。
期待しながら振り返ると、やっぱり和田さんが立っていた。
顔を合わせるのは、例のデートをすっぽかされたあの夜以来。
お詫びの一言があってもいいはずなんだけど…、なんて期待はすぐに崩れる。
「忙しいところごめん。
これからミーティングルームにお茶出してもらえないかな。
派遣の子が今日はお休みで…」
マイペースな和田さんは一昨日のことなんて全く触れもせず、あたしに向かって手を合わせた。
うーん。
自覚がないのか、はたまた確信犯なのか。
この小悪魔的なとこが和田さんなのだ。