部長とあたしの10日間
とはいえ、数いる経理部女子社員の中からあたしに声をかけてくれたのは少し嬉しい。
「すぐ準備しますね」
あたしは笑顔で頷く。
そこらへんの男ならこのキラースマイルを持ってすればイチコロのはずなのに、和田さんはびくともしないんだな、これが。
「ごめんね、朝からいきなり雑用押し付けて」
いえいえ。
デートすっぽかされたことに比べればなんてことありません、なんて内心とは裏腹にあたしは満面の笑顔で首を振る。
「いつでも言って下さい」
「そう言ってもらえると本当に助かる。
うちに頼めそうな人がいなくてさ」
ふぅん。
あたしは企画部のデスクで優雅にコーヒーを飲みながら書類をめくっている葛城主任を横目に立ち上がる。
あたしはどこかのプライドの高い女とは違う。
どうせ淹れるなら、うーんとおいしいお茶を淹れてやろうじゃない。
ミーティングルームに消えていく和田さんを見送って、あたしは給湯室へ向かった。
「すぐ準備しますね」
あたしは笑顔で頷く。
そこらへんの男ならこのキラースマイルを持ってすればイチコロのはずなのに、和田さんはびくともしないんだな、これが。
「ごめんね、朝からいきなり雑用押し付けて」
いえいえ。
デートすっぽかされたことに比べればなんてことありません、なんて内心とは裏腹にあたしは満面の笑顔で首を振る。
「いつでも言って下さい」
「そう言ってもらえると本当に助かる。
うちに頼めそうな人がいなくてさ」
ふぅん。
あたしは企画部のデスクで優雅にコーヒーを飲みながら書類をめくっている葛城主任を横目に立ち上がる。
あたしはどこかのプライドの高い女とは違う。
どうせ淹れるなら、うーんとおいしいお茶を淹れてやろうじゃない。
ミーティングルームに消えていく和田さんを見送って、あたしは給湯室へ向かった。