部長とあたしの10日間
「小泉部長って昨日今日と出張じゃなかったっけ?」
違う部署の後藤さんが知っていたことが少し引っ掛かったものの、企画部長と営業部のエースなら、何かしらのパイプがあったっておかしくないか。
そう言えば、先週経理部に提出された出張申請書の中にあいつの名前もあったかもしれない。
そのときは気にも止めてなかったけど。
「そうだったんですか…」
タイミング悪い。
せっかくお詫びを用意してきたのに。
完全に相性が悪いとしか考えられないわ、なんて一人ごちていると。
「ま、仕事は表向きだろうけど」
後藤さんは行き先ボタンを押しながらさらっと言った。
表向き?
ってことは裏の意味もあるの?
後藤さんの頭の中が読めない。
エレベーターのモーター音と一緒に、消化不良になった今の言葉がぐるぐる回る。
「…今のって、どういう意味ですか?」
あたしは後藤さんの裾を掴んで言った。
違う部署の後藤さんが知っていたことが少し引っ掛かったものの、企画部長と営業部のエースなら、何かしらのパイプがあったっておかしくないか。
そう言えば、先週経理部に提出された出張申請書の中にあいつの名前もあったかもしれない。
そのときは気にも止めてなかったけど。
「そうだったんですか…」
タイミング悪い。
せっかくお詫びを用意してきたのに。
完全に相性が悪いとしか考えられないわ、なんて一人ごちていると。
「ま、仕事は表向きだろうけど」
後藤さんは行き先ボタンを押しながらさらっと言った。
表向き?
ってことは裏の意味もあるの?
後藤さんの頭の中が読めない。
エレベーターのモーター音と一緒に、消化不良になった今の言葉がぐるぐる回る。
「…今のって、どういう意味ですか?」
あたしは後藤さんの裾を掴んで言った。