部長とあたしの10日間
「なんで部長が…」
目を見開いて言葉を失ったあたしを見て、部長は眉間に皺を寄せる。
「俺がいるのがそんなに驚くことか?
このフロアはいつから経理部だけのものになったんだ」
相変わらず嫌味な男。
4階に企画部と経理部が設置されてることくらい、あたしだって入社当初から分かってる。
言いたいのはそういうことじゃなくて…。
「部長は大阪に出張だと聞いていたので」
あたしがつぶやくと、部長はああ、と納得したように声を漏らす。
「今日はこっちでいくつか案件があったから、葛城を残して俺だけ夕方には戻ってきてたんだ。
まあ、今の今まで拘束されてたがな」
その多忙さをぼやくでも鼻にかけるでもなく、淡々と事後報告するように語る部長は、やっぱり掴めない。
葛城を残して、という言葉にほんの少しホッとしたのも束の間、
「───お前、あとどれくらいで終わるんだ?」
そんな謎だらけの男の口が発したセリフに、あたしの脳内は再び混乱し始めた。
目を見開いて言葉を失ったあたしを見て、部長は眉間に皺を寄せる。
「俺がいるのがそんなに驚くことか?
このフロアはいつから経理部だけのものになったんだ」
相変わらず嫌味な男。
4階に企画部と経理部が設置されてることくらい、あたしだって入社当初から分かってる。
言いたいのはそういうことじゃなくて…。
「部長は大阪に出張だと聞いていたので」
あたしがつぶやくと、部長はああ、と納得したように声を漏らす。
「今日はこっちでいくつか案件があったから、葛城を残して俺だけ夕方には戻ってきてたんだ。
まあ、今の今まで拘束されてたがな」
その多忙さをぼやくでも鼻にかけるでもなく、淡々と事後報告するように語る部長は、やっぱり掴めない。
葛城を残して、という言葉にほんの少しホッとしたのも束の間、
「───お前、あとどれくらいで終わるんだ?」
そんな謎だらけの男の口が発したセリフに、あたしの脳内は再び混乱し始めた。