部長とあたしの10日間

一体どういうつもりなの？
部長にとってあたしはどういう立ち位置にいるの？


すました部長の横顔に、あたしは疑問を投げかけたけれど。
その後も一向にロマンチックな展開を迎えることはなく、ナビの到着予定時刻を少しもオーバーすることのないまま、あたしのマンションに到着してしまった。


「じゃあ、また明日」


部長は道路の脇に車を寄せると、素っ気なくあたしに降りるよう促した。


ちょっと待って、本当にこのまま帰っちゃうの？
それともあたしが不満そうにするのを見て、楽しんでるんじゃないわよね。


「…部屋まで来ないんですか？」


「───どうして？」


確信犯だとすれば、部長は絶対Sだ。
つれなくされても引けないあたしをからかってるとしか思えない。