部長とあたしの10日間
「ここから部屋までの間にストーカーに襲われたら、部長のせいですよ」
我ながら無茶苦茶な理由だとは思ったけれど、子供じみた手を使ってでももう少し一緒にいたい。
「仕方ない奴だな…」
部長は大袈裟に息を吐いて車のエンジンを落とした。
思いの外、雨足が強い。
新しいパンプスを気にして車から降りるのをためらっていると、部長が外から扉を開けて傘をさしてくれた。
「すみません…」
男物の傘とはいえ、大人二人が入るには少し小さい。
あたしがブランドのバッグを胸に抱えながら傘に入り込んだとき。
「もっとこっちに寄れ」
グイッ。
ふいに部長があたしを抱き寄せた。
急に距離の縮まった部長を驚いて見上げると、それに気付いて端正な顔がこっちを見た。
「そんな顔するな。
二人で濡れるよりマシだろ」
そんな顔って。
熱視線を送るあたしの顔は、部長の目にどう映っているんだろう。
我ながら無茶苦茶な理由だとは思ったけれど、子供じみた手を使ってでももう少し一緒にいたい。
「仕方ない奴だな…」
部長は大袈裟に息を吐いて車のエンジンを落とした。
思いの外、雨足が強い。
新しいパンプスを気にして車から降りるのをためらっていると、部長が外から扉を開けて傘をさしてくれた。
「すみません…」
男物の傘とはいえ、大人二人が入るには少し小さい。
あたしがブランドのバッグを胸に抱えながら傘に入り込んだとき。
「もっとこっちに寄れ」
グイッ。
ふいに部長があたしを抱き寄せた。
急に距離の縮まった部長を驚いて見上げると、それに気付いて端正な顔がこっちを見た。
「そんな顔するな。
二人で濡れるよりマシだろ」
そんな顔って。
熱視線を送るあたしの顔は、部長の目にどう映っているんだろう。