忘れ去られたキオク
「ねぇ。 エルネスト。
これ、本当にあたしの過去...なの?」
「あぁ」
「あたし、翔平とこんな会話した覚えないんだけど」
「...」
無言の返事が返ってきて、なぜだか分からないのに、なんだか不安になった。
「ねぇ、どういうこと?」
「シーナは...」
エルネストが口を開いた。
「...──いや、実際に、見せた方が早いな」
自分に言い聞かせるように頷くエルネストを横に、またもや視界が渦を巻いた。