忘れ去られたキオク
───
『きゃあああ!! どうしよ!!』
『え、いきなり何?』
『ほらほらほらっ!! このメール、見て!!』
女子のキンキン声であたしは意識を戻した。
「...この時のことは覚えてるか?」
透き通った低い声が聞こえて、耳だけでエルネストだと判断する。
「...分かんない」
そう答えて、キャアキャア騒いでる過去のあたしに目を向ける。
...誰かの、家。
高校生になったばかりだと思われるあたしと、見覚えはあるけれど名前の分からない2人の少女がそこに座っている。