忘れ去られたキオク
「っ!!」
「...シーナ、大丈夫か?」
クリアな声が聞こえて、反射的にガバッと起き上がる。
あれ? ここは...どこ?
「教会で寝るなんて、いい度胸だな」
エルネストの銀髪の髪の毛から覗く目があたしを捉えている。
...あ、そうだった。
サーカスを見終わって、暇だし教会にでも行こうかな、ってなって。
でもエルネストがいなくて更に暇になって。
だから特等席の右側のピアノで『ねこふんじゃった』を弾いてたら、寝ちゃったんだ。