忘れ去られたキオク
「...送ってく」
頭上から聞こえた低い声に、びっくりした。
「いや!! いいって!!
1人で大丈夫ですー!! もう子供じゃないんだから」
そう言っても「夜は危ないから」としか言わないエルネストに折れて、送ってもらうことになった。
こんなとこ、翔平に見られたら誤解されちゃうな...。
決して浮気なんかしてません!!
ゆらゆら揺れている銀髪に触りたいなんて思ってません!!
隣に立っているエルネストをかっこいいなんて思ってません!!
うん。 大丈夫。
翔平なら分かってくれるね。