忘れ去られたキオク
でも、椎菜はソイツらとは別だ。
『死を受け入れた者』でもないし、『死を受け入れられない者』でもない。
『死んだことに気付いていない者』だ。
そんな奴を1人で帰らせたら、幽霊共に何されるか。
そう思って、送ってったはいいけど、当の本人が幽霊の存在に気付いていなかったとは。
いっそ、全て話してやろうかと自棄になりかけた。
でも、言ってしまうと多分、椎菜はドン底まで落ちてしまう。
そんな椎菜を救ってやれるのは、翔平しかいない。
でも、 その翔平は...。
あーもう...どうすればいいんだ。