忘れ去られたキオク
「なんで!? なんで、あなたたちは見てるだけなの!?
なんで、助けてくれないの!?」
あたしが、怒りと焦りで発した言葉にも周りの人は誰も動こうとしなかった。
...あたししかエルネストを助けてあげれない。
...行こう!!
あたしは、ぐったりしているエルネストを起こして腕をあたしの肩に乗せた。
そしてゆっくりと立ち上がる。
...重い。
けど、頑張らなきゃ。
その場に立っている人だかりを抜け出して、必死に歩いた。