忘れ去られたキオク
俺の目に映ったのは、泣きじゃくっている椎菜の姿。
「なんで、泣いてるんだよ...」
「だって...!! エルネストのバカ!!」
「バカって...」
「バカじゃん!! なんでか知らないけど噴水広場に倒れてるしさ!!
もしあたしが見つけなかったら、死んじゃってたのかも知れないんだよ!?
しかも!! さっきだって、いきなり抱き締められて...!!
あたしには翔平がいるのに!!」
大声をあげて泣く椎菜は、俺の体をポカポカと叩く。
俺、一応、看病される側。