忘れ去られたキオク
「私がこっちに来るとき、いつもエルネスト、どこかに行ってるわよね」
「あ、はい。
...いろいろやることがあるので」
「あら、そうだったの。
私は暇だから遊びに来てるのよ」
右側のピアノの前に座っているアイリスをちらりと見て、苦笑した。
...天国を仕切っているリーダーが暇って。
「ふふっ。 でも、暇って良いことよ?
それだけ、今日死んでしまった人が少ないってことでしょう?」
「言われてみれば、そうですね」