忘れ去られたキオク
そしてアイリスは指を口に当て、考える仕草をしながら俺に近づく。
「そうそう。
彼女の寿命...っていうのはおかしいかしら。 もう死んでしまっているんだものね。
あと何日で彼女は、ここで10年を迎えるか、ちゃんと把握しているかしら?」
「...あと、約1ヶ月です」
「1ヶ月...。
エルネスト。1ヶ月後、後悔しないように、今できることを精一杯やること。
あなたの指名は、彼女を天国に送り届けることよ」