忘れ去られたキオク
「あたし、エルネストに会わないようにするね!!」
にっこにこの笑顔であたしはそう言ったから、にっこにこの笑顔で言葉が返ってくると思ったのに。
「は?」
呆けた顔をした翔平が一言だけ、そう口にした。
「だーかーらーっ!!
エルネストに会わないようにする!!」
「え、だって、アイツ親友なんだろ?」
「そうだよ? 大大大親友!!」
あたしの意図が分からないとでもいうように、首を傾げている翔平に説明してあげる。